画像処理
2次微分フィルタ ラプラシアンフィルタ(Laplacianフィルタ) - 画像のエッジ検出
画像処理の2次微分フィルタとは
ご無沙汰しております。新入社員のKです。
10月に入り、急激な気温の変化で衣替えのタイミングに悩んでおります。
体調を崩すことなく心身ともに健康な状態で日々励みたいと思います。
今回は依然紹介しておりましたエッジフィルタの続編となります。
興味のある方は、是非前回までの記事も合わせてご覧ください!
前回までの記事はこちら
これまでの記事では、エッジ検出に使用される代表的な1次微分フィルタ
「Prewitt(プレヴィット)フィルタ」と
「Sobel(ソーベル)フィルタ」
を紹介させていただきました。
今回のお話は、Laplacian(ラプラシアン)フィルタについてです。
ラプラシアンフィルタとは、2次微分で画像のエッジを検出するフィルタです。
1次微分フィルタは1回の微分を行い差分を取り出すことでエッジを検出しました。
対して、2次微分フィルタは微分を2回繰り返すことでエッジを検出します。
微分を2回繰り返すことで差分量の変化が大きい箇所のみを強調することが可能です。
Laplacian(ラプラシアン)フィルター
まず、Laplacianフィルタのカーネル(3×3)についてです。
下記の図がLaplacianフィルタのカーネルです。
4近傍のLaplacianフィルタでは対象画素の縦方向と横方向で微分を行い、エッジを検出します。
8近傍のLaplacianフィルタでは対象画素の縦横方向に加えて、斜め方向も微分を行い、エッジを検出します。
続いて、実際にエッジ検出を行った画像を見てみましょう。
今回は以前ご紹介したSobelフィルタと比較してみました。
Sobelフィルタでは、ピントの合っていない背景の木材(画像右上箇所)がエッジとして強調されています。
対して、Laplacianフィルタではほとんど強調されていません。
画像内のボケている箇所は、ピントの合っている箇所と比較して、隣り合う画素の輝度値(明るさ)の変化の量が緩やかになります。
その結果、2次微分フィルタであるLaplacianフィルタはボケている箇所をほとんど強調しないのです。
この特徴を検証するため、弊社画像解析ソフト「WinROOF」シリーズにて以下の画像群にLaplacianフィルタを施しました。
ピントの合っている箇所が異なる3種類の画像を使用し、それぞれにLaplacianフィルタ(8近傍)を適用しました。
先ほどのようにボケている箇所のエッジはほとんど強調されていません。
このようにLaplacianフィルタはピントが合っている箇所の境界線を強調する際に有効です。
一方で、微分を2回行うためフィルタを適用した際の変化量は1次微分フィルタと比較して小さくなります。
結果、強調されるエッジ部分も暗くなってしまいます。
つまり、「ピントが合っている、かつ、隣り合う画素の輝度値(明るさ)の差が大きい箇所」に対して有効活用できると言えるでしょう。
Laplacianフィルタの機能を実際に試されたい方向けに、WinROOFシリーズの無料体験版(デモ版)も用意しています。
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