画像処理
カメラ素子の並び ~ベイヤー配列とは?~
カメラ技術の進歩により、高画質な写真や動画を撮ることができるようになりましたね。
皆さんもお持ちのスマートフォンで料理や旅行、ペットなどの写真を撮るようになったかと思います。
今回はそんなカメラのセンサーに焦点を当て、ベイヤー配列というセンサーの配列について紹介します。
撮像素子とフィルター
カメラにはイメージセンサー(撮像素子)という部品があります。
イメージセンサーとは、光を電気信号に変換するもので、このセンサー1つ1つの前にR(赤)、G(緑)、B(青)いずれか1色のフィルターが置かれています。
例えば、G(緑)のフィルターが前面に置かれた素子は、緑色の光しか入射しないので、どれぐらい緑が強いのかが分かります。
このように素子の前にRGBいずれか一色のフィルターを置くことで、全体像としてカラー写真に見えるようになります。
ベイヤー配列
このRGBの配列ですが、実はRGBRGBRGB・・・というように並んでいるわけではありません。最近のカメラの多くはこんな配列で並んでいます。
G(緑)が多いですよね?ベイヤー配列では縦横2×2の画素にR(赤),B(青)を1つ、G(緑)を2つ配置した並びになっていて、左上の画素の違いで4パターン存在します。
このG(緑)が2倍多いというのがベイヤー配列のキモなのです!
なぜそんなことをしているのか?
その理由はいたってシンプルで、人間の目にはR(赤),B(青)よりもG(緑)の方が感じやすいからです。
これは「視感度」というものがありまして、人間の目が波長ごとに光を感じ取れる強さの度合いを表すものです。
人間の目は555nmの波長を最も感じやすく、これは緑色なんですね!
そのためR(赤),B(青)よりもG(緑)を2倍に増やすことで見かけの解像度を上げているんです。
身近なところで言うと、iPhoneもこのRGGBのベイヤー配列を採用しているそうです。
デモザイク処理
ベイヤー配列では、1つの画素にR,G,Bいずれかの色情報のみを持っています。
そのため、欠落している情報を補間する必要があります。
B(青)の画素にはR(赤),G(緑)の情報がありません。
これでは紫のような色は表現できないですよね?この欠落している色情報を補間するのがデモザイク処理です。
例えば、周辺の4画素の平均値を計算して中央の画素値として、カラー画像を生成します。
ベイヤー配列のメリットとデメリット
ベイヤー配列には以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット
・比較的低コスト
・実際の解像度よりも高解像度の画像を生成できる
・画像処理が高速なため、スポーツなどの動きを捉えるシーンに使える
デメリット
・色情報の補間の際にカラーノイズが発生することがある
・高コントラストやエッジが繊細な時は色情報の補間が難しい時がある
今回の記事ではカメラのセンサー配列について紹介しました。
カメラ技術も日々進歩しているので、今後はどんな画像を撮ることができるようになるのか楽しみですね。
弊社は画像解析を得意としていますが、どのカメラや顕微鏡を使えばいいか分からない!というお客様にはご要望に合わせて選定することも可能ですので気軽にお問合せください。
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