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画像処理

画像解析におけるエッジフィルタ処理 - 輪郭強調フィルタのまとめ

画像解析に利用されるエッジフィルタとは?

前回の記事『画像解析におけるフィルタ処理 - ノイズ軽減フィルタのまとめ』では、ノイズ軽減を目的に使われる平滑化フィルタ処理をまとめてご説明しました。
今回は同じフィルタ処理ですが、輪郭の検出で使用される『エッジフィルタ』をご紹介します。

例.プレヴィットフィルタの処理前と処理後
1_エッジフィルタ処理をした画像.png
上記右側のエッジフィルタを使用した画像では、輪郭がはっきり出ていますよね。エッジフィルタは、この例のように粒子や物体の輪郭がはっきりしておらず、2値化がしにくい画像に有効な機能です。 では早速、エッジフィルタをまとめて比較していきます。

エッジフィルタの種類

今回は4つのフィルタをご紹介します。

1. Prewitt(プレヴィット)フィルタ
横方向、縦方向でそれぞれ微分(差分:引き算による差)を取り、両方の結果を合成するフィルタです。中央の注目画素と隣接している画素以外の画素は無視し、両方の差を求める処理を行います。 隣と比べて明るさが変化している箇所を強調してくれます。
■■詳しい説明を見るにはここをクリック■■

2_プレブィット.png

2.ソーベルフィルタ
プレヴィットフィルタ同様、横方向、縦方向でそれぞれ微分(差分:引き算による差)を取り、両方の結果を合成するフィルタです。中央部の画素に重みづけを行い、中央部がより強調される処理を行います。 プレヴィットフィルタと比べ、輝度差が少ないエッジも強調できますが、ノイズも強調されてしまう傾向があります。
■■プレブィットフィルタとの違いを見るにはここをクリック■■

3_ソーベル.png
3.ロバーツフィルタ
3-1.一般的な処理
上記2つのフィルタとは異なり、斜め方向で微分(差分:引き算による差)を取るフィルタです。斜めの線を強調する時に活用できます。
ロバーツ.png
3-2.WinROOF上の処理
なお、後ほどご紹介する画像解析ソフト「WinROOF」シリーズのロバーツフィルタでは、重み付けがされていて下記のような処理となっています。
ロバーツ_WR_修正.png
4. ラプラシアンフィルタ
プレヴィットフィルタとソーベルフィルタ、ロバーツフィルタ1次微分フィルタと呼ばれるもので、微分を1回行い差分を取ります。対して、ラプラシアンフィルタは微分を2回繰り返す2次微分フィルタというものとなります。
1次微分では隣り合った画像の明るさの差が大きいところが強調されるため、光が当たっている箇所と影になっている箇所の境目 などの輪郭ではないが隣との差がある箇所も強調されます。 そのような場合に2次微分を使うと、微分を2回行うため差分量の変化が大きいところのみを強調することができます。 なお、微分を繰り返すためエッジだけでなくノイズを強調してしまう可能性があり、メディアンフィルタやガウシアンフィルタを適用し、平滑化を行ってからラプラシアンフィルタの処理をかけるのがおすすめです。
■■詳しい説明を見るにはここをクリック■■

4_ラプラシアン.png
この他にもVarianceフィルタなど様々なフィルタがあります。今後のブログに追加していく予定ですので、是非またチェックしてください。

WinROOFでの各フィルタの比較レビュー

実際にWinROOFシリーズを使用して、各フィルタを実行した結果を見てみましょう。
なお、ラプラシアンフィルタは3×3で処理をかけており、ロバーツフィルタとラプラシアンフィルタは明るさ調節(平均輝度が100になるようオフセット処理)を加えています。

6_フィルタ比較_乗算_ロバーツ2.png

プレヴィットフィルタ、ソーベルフィルタではエッジがはっきり出ていますが、花びら部分で光の当たり方が異なるところも強調されているのが見てとれます。 エッジフィルタはコントラストの低い画像や粒子と粒子の境目を強調したい場合に有効ですが、「画像に合ったフィルタをかけること」「平滑化フィルタと組み合わせてノイズを抑えること」が重要です。

エッジフィルタ機能を実際に試されたい方向けに、WinROOFシリーズの無料体験版(デモ版)も用意しています。
気になる方は下のリンクからダウンロードしてみてくださいね。
デモ版をダウンロードするにはこちらをクリック!

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