画像処理
画像解析におけるフィルタ処理 - ノイズ軽減フィルタのまとめ
画像解析に利用されるノイズ軽減フィルタとは?
画像処理では、2値化などの抽出処理の前処理としてノイズ軽減やエッジなどの特徴を強調するために「フィルタ処理」がよく用いられます。
例えば、左下の図では白い小さな点が全体に広がっていますが、フィルタをかけた右下の図をみると、点々が消え滑らかな画像になっていることが分かります。
【例.メディアンフィルタの処理前と処理後】
このようにフィルタ処理を上手に選択することで、対象物が抽出(2値化)しやすい、ひいては解析しやすい画像を作成することができます。
では、フィルタにはどのような種類があるのでしょうか。今回はノイズ軽減の役割を持つ、いわゆる平滑化フィルタをまとめて比較していきます。
平滑化フィルタの種類
今回は5つのフィルタをご紹介します。
1.平均化フィルタ
画素間の平均値をとるフィルタで、画像をぼかして滑らかにすることが出来ます。また、平均値をとるため画素ごとの輝度値の差を抑え、粗さを目立たなくすることが可能です。
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2.ガウシアンフィルタ
平均化フィルタと同様に画像をぼかして滑らかにするフィルタですが、ガウス分布に従って重み付けがされるフィルタです。
ガウス分布は処理対象となる真ん中の注目画素が最も重みが大きくなり、外側の画素ほど重みが小さくなるよう計算されています。そのため、平均化フィルタよりも元々の画像に近い形を維持できることがポイントです。
■■平均化フィルタとの違いを見るにはここをクリック■■
3.メディアンフィルタ
画素間の中央値を取るフィルタです。ごま塩ノイズやスパイク状ノイズと呼ばれる小さな点々のノイズを除去するために有効なフィルタです。コントラストの差が大きい輪郭部分がぼやけにくいため、小さなノイズのみ軽減したい画像解析業界では多用されるフィルタとなります。
■■平均化フィルタとの違いを見るにはここをクリック■■
4.最大値フィルタ
画素間でもっとも高い輝度値を採用するフィルタです。範囲内で一番明るい輝度に置き換わっていくため、黒いノイズ成分を除去するイメージとなります。 そのため、明るい範囲が膨張していくように変化します。
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5.最小値フィルタ
画素間でもっとも低い輝度値を採用するフィルタです。範囲内で一番暗い輝度に置き換わっていくため、黒い粒子を強調したい場合などに有効です。 そのため、暗い範囲が膨張していくように変化します。
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この他にもソートフィルタなど様々なフィルタがあります。今後のブログに追加していく予定ですので、是非またチェックしてください。
WinROOFでの各フィルタの比較レビュー
実際にWinROOFシリーズを使用して、3x3で各フィルタを実行した結果を見てみましょう。
こうやって見比べると全然効果が違いますね!解析したいテーマや画像に合ったフィルタを掛けることの重要性をご理解いただければ幸いです。
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