画像処理
メディアンフィルタ ~ 画像のノイズ除去 ~
メディアンフィルタとは
平均化フィルタを利用して、画像をぼかすことでノイズを軽減する。これは画像解析で一般的に使われる処理です。
(デジタル画像のノイズについて知りたい方は、"ゴマ塩ノイズ"と検索してみると、参考になるページがあるはずです)
しかし、画像解析では対象を認識する際に輪郭がハッキリしていることは非常に重要ですので、輪郭はなるべくぼけないほうが望ましいです。
「輪郭をなるべくぼやかさずに、ノイズを除去したい」こんなときに使いたいフィルタがメディアンフィルタ(メジアンフィルタ)です。
メディアンというのは中央値という意味です。
メディアンフィルタとは、平均値ではなく中央値を利用することで、ある程度エッジ成分を保ちつつノイズ成分を効果的に除去できる便利なぼかしフィルタです。
左のような、3x3のカーネルでメディアンフィルタを実行する場合、
注目画素"160"を中心に3x3の範囲の輝度値を順番に並べます。
並んだ9個の輝度値の中で、中央値は 150 なので、メディアンフィルタの結果この画素は"150"と変換されます。
(64, 64, 80, 128, 150, 160, 190, 200, 255)
5x5, 9x9, といった範囲でも処理の内容は同様で、
カーネルの範囲内の輝度値を順番に並べ、中央値を採用する処理を画像全体へ繰り返していきます。
ある範囲の中央値をとるので、効果は平均化フィルタに似ており、フィルタの効果を強くするほど画像はぼけていきます。
しかし、平均化フィルタやガウシアンフィルタと比べると、コントラストの差がある輪郭部分がぼやけにくいという特徴があります。
その特性から、画像解析を実行する場合の前処理としてノイズ除去に非常に良く使われるフィルタです。
メディアンフィルタとガウシアンフィルタの違いを確認したい方は、下記の関連記事より内容を比較してみてください。
【関連記事】ノイズ除去に利用されるガウシアンフィルタ
画像解析ソフトウェアWinROOFシリーズでの操作はこの動画のようになります。
WinROOFでのメディアンフィルター 動画
WinROOFでのメディアンフィルターのプレビュー
実際にWinROOFを使用して、3x3、5x5 のカーネルでメディアンフィルタを
実行した結果を見てみましょう。大きい範囲を扱うほどフィルタの効果が強くなります。
フィルタなし
フィルタ 3×3
フィルタ 5×5
5×5で実行した平均化フィルタとメディアンフィルタの比較
メディアンフィルタの機能を実際に試されたい方向けに、WinROOFシリーズの無料体験版(デモ版)も用意しています。
気になる方は下のリンクからダウンロードしてみてくださいね。
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