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AD変換を利用してセンサの信号を画像化する
アナログ/デジタル変換(A/D変換)とは何か?
アナログ/デジタル変換(A/D変換)はその名の通りアナログ信号をデジタル信号に変換するプロセスであり、
現代のデジタル社会において、アナログ信号をデジタル信号に変換する技術は欠かすことができません。
例えば、音声録音ではマイクは音波を電気信号に変換しますがこの信号はアナログ信号であり、このままでPCなどへ取り込んでデータとして扱うことができないため、
PCや録音デバイスではマイクが得た電気信号をA/D変換してデジタルデータとして保存します。
他にも工業部品の検査などでは、圧力センサやレーザー変位計から出力されたアナログ信号をデジタルデータとして取り込むことで高度な解析を実現しています。
この技術は、多くの分野で利用されており、その具体例を挙げれば枚挙にいとまがありません。
アナログ信号とデジタル信号の違い
アナログ信号
アナログ信号は連続的な値を持つ信号です。これは、時間の経過に伴って連続的に変化するものを表します。
音声や光の強さ、温度など、自然界に存在する多くの現象はセンサーにより、電圧に変換されて扱われます。
デジタル信号
デジタル信号は離散的な値を持つ信号です。
これは、0と1の二進数で表されるビットの集合として表現されます。
要するにデジタル信号は、PCやデジタルデバイスで処理することができてデータの保存や伝送において非常に効率的な信号といえます。
A/D変換の基本的な考え方
標本化(サンプリング)
A/D変換の最初のステップは、アナログ信号を一定の時間間隔で標本化することです。
このプロセスはサンプリングと呼ばれ、その性能はサンプリングレートという1秒間にどれだけの間隔でサンプルを取得するかを示す指標で表し、
一般的に単位はHz(ヘルツ)で表されます。たとえば、44.1kHzのサンプリングレートは、1秒間に44,100回サンプルを取得することを意味します。
量子化
サンプリングされたアナログ信号は次に量子化されます。
量子化とはアナログ値を離散的なデジタル値に変換するプロセスです。
このとき、アナログ値の連続性は失われ近似的なデジタル値に置き換えられます。
量子化の精度は、ビット数に依存します。たとえば、8ビットの量子化では256段階、16ビットの量子化では65,536段階の値を表現できます。そのため8bitの量子化より16bitの量子化の方がアナログ信号を精度よくデジタル信号へ変換できることになります。
A/D変換デバイスなどではこのbit数のことをADC分解能といった言葉で示します。
符号化
量子化されたデータは最後にデジタル信号として符号化されます。
このプロセスでは量子化された値がバイナリ形式に変換され、0と1のビット列として表されます。
符号化されたデジタルデータは、コンピュータやデジタルデバイスで処理や保存が行えるようになり、様々な測定や分析に利用できます。
A/D変換を利用してレーザー変位計などのセンサーの情報を画像化する
アナログ信号をデジタル信号へ変換して処理するということを考えると本ブログでご紹介している画像処理・画像解析は「光情報⇒イメージセンサー⇒カメラ内でA/D変換⇒画像データとしてPCへ取込み」とまさにA/D変換を利用していることになります。
そして、画像データとして取り込みを行えるのはイメージセンサーに限りません、例えばレーザー変位計や膜厚計といったセンサーから得た値をマッピングすることで画像化することもできます。
NAZCA 3D - 3D表面形状解析システム
https://www.mitani-visual.jp/products/3d_surface_textur_eanalysis/nazca_3d/
NAZCA 3Dは対象物の表面形状を高速で広範囲に正確に測定するシステムです。非接触レーザ変位計と電動2軸ステージを専用の治具に装着し、XY方向に走査することで高速に3Dデータを生成します。生成された3Dデータは様々な用途に合わせ、3D表示、計測、特殊測定など高度画像処理を用いた解析を行うことができます。システムに使用するレーザ変位計と電動ステージも用途に沿って選択でき、システム構築することが可能です。
データの取り込みはレーザー変位計の出力値(アナログ信号)をデジタル信号へ変換し行われます。そのため、レーザー変位計だけでなく計測値を電圧としてアナログ出力できるセンサーであれば、ステージの移動と同期したスキャンや測定に利用することできます。
要するに、点で値を取得するセンサーを縦横に動かすことで特定の範囲を画像として取り込んで解析してしまうことができるシステムになります。
開発当初はレーザー変位計での表面形状のスキャンを目的としたシステムでしたが、
A/D変換の特性を活かしてアナログ信号を電圧として出力できるセンサーであればXY軸を動かし画像化できるため、現在ではレーザー変位計以外にも膜厚計・温度計など様々な組み合わせでご提案させていただいています。
A/D変換を利用してセンサーの情報を画像化する、そんなテーマにご興味がある方は是非お問い合わせください。
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