ソフトウエア
画像解析ソフトウェアWinROOFシリーズ - JIS G 0551(切断法/計数法)機能
金属材料を顕微鏡で検査する
「金属が使われているもの」と言われたらどんなものが思い浮かぶでしょうか。
例えば、自動車・家電といったものから、建築資材・家具・装飾品・・・など思い浮かぶだけでも色々な用途があります。
金属材料は用途が多岐にわたるので求められる性質も様々で、その性質を評価する検査はとても重要です。
金属組織は、結晶粒で構成された結晶構造を持つ多結晶構造となっているため、
顕微鏡で撮影すると結晶粒の部分と結晶粒同士の境界(結晶粒界)が確認できます。
イメージとしては下図のように、1つの白い固まり部分(結晶粒) と その境界の黒い部分(結晶粒界)
で構成された画像となります。
このような画像から結晶粒や粒界を検出し、工業規格に沿った結果を算出する機能が解析ソフトウェアには求められます。
今回は画像解析ソフトウェアWinROOFシリーズの機能 JIS G 0551「鋼-結晶粒度の顕微鏡試験方法」に記載されている 切断法
での自動解析例をご紹介します。また、WinROOFでは同時にASTM E112に対応した粒度番号を測定することも可能です。
結晶粒度評価 切断法
切断法は試験用の線分パターンと結晶粒・粒界が交わる点をカウントすることで
結晶粒内を横切る 1結晶粒あたりの平均線分長を求め、結晶粒度を算出する方法です。
画像処理を用いて自動的に行うことで、観る人による結果のバラつきを無くし、定量的な評価を行うことができます。
ここでは、規格の標準図を模して作成した画像を利用します。
画像処理のパラメータを調整し、粒界の部分が抽出(抽出部:緑色)されるように設定します。
粒度番号6に該当する画像での測定例
試験用の線分パターンと粒界の交点は画面上に×マークで表示されます。自動検出後に、手動で交点を編集することもできます。
適した粒度番号が表示されていることが確認できます。WinROOFでは同時にASTM E112に対応した粒度番号を測定することも可能です。
粒度番号7に該当する画像での測定例
結晶粒度評価 計数法
画像処理を用いて評価を行うのは切断法だけではありません。計数法(求積法)も画像処理を用いて自動検査で行うことができます。
計数法では撮影した顕微鏡画像に対して決められたサイズの円を描き、単位面積[mm2]当たりの結晶粒の平均の数を測定して結晶粒度を算出します。
切断法が線分パターンと粒界の交点から近似的に結晶粒を評価していたのに対して、計数法では結晶粒1つ1つを認識しその面積に着目します。
切断法と同様、画像処理で粒界部分を検出するように設定すると、結晶粒の認識と粒度番号の計算が自動的に行われます。
画像処理により、正確に結晶粒界を検出
実際に業務の中で撮影される画像では結晶粒界以外の要素も画像上に黒く存在しますが、WinROOFに用意されているフィルターなどの処理を適用することで、
不要な箇所を除外し、結晶粒界の部分のみを抽出することが可能です。様々な画像処理機能を持つWinROOFならではのポイントです。
また、WinROOFシリーズでは顕微鏡カメラの制御も可能です。
顕微鏡カメラからのライブ像を直接処理することで、シームレスな金属材料の検査装置を構築することもできますし、
画像ファイルのみを扱うことで別々の顕微鏡で撮影した画像をWinROOFでまとめて検査を行うこともできます。
お客様のご用にに合わせて金属材料の評価へご利用いただけます。
結晶粒度の評価や金属材料の画像検査についてご興味がございましたら、お気軽にお問い合わせください!
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